上品寺の石仏(葛飾区東新小岩)
JR総武線新小岩駅から北西に延びる都道308号平和橋通りが旧中川を渡る手前に真言宗の上品寺がある。創建年代は不詳ながら享保元年(1716)に伝祐という僧侶が新義真言宗の一寺としたという記録がある。南四国南葛八十八ヶ所霊場の29番とされていた。
江戸名勝ゑんま大王という看板があるが、山門を入ってすぐ写真に写る大きな閻魔堂があり、かつて江戸十六閻魔のひとつとして信仰されていた。閻魔堂に祀られている閻魔大王像は木造で2m以上ある大きなものであった。
山門の手前左側に2基の角柱がある。左の太いほうは新四国八十八ヶ所巡拝供養塔で天保14年(1843)4月の造立。第20番霊場と書かれている。右の細い方の角柱には「奉建立鋪石為顕當二世安樂也」とあり、造立年は安永2年(1773)10月の紀年がある。「惣旦方中」とあるが裕福な檀家による寄進だろう。
本堂の裏手の墓所に回り込むと、普通の寺院の何倍もの大きさの無縁仏群がある。多くの墓石がゆとりをもって並んでいて、暫く一つずつ拝顔した。諸尊はひときわ大きな舟型光背型の地蔵菩薩像で、寛文3年(1663)霜月(11月)の造立、刻銘としては「奉造立地蔵菩薩 無縁講人数 同行廿九人」とある。そのてまえの上部が斜めに切れたのも推定舟型の地蔵菩薩像だが、文字は一切読めない。
場所 葛飾区東新小岩7丁目8-2
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