玉蔵院の石仏(足立区保木間)
足立区保木間にある玉蔵院は真言宗の寺院で、創建は文明18年(1486)と古い。年代的には京都の応仁の乱が終り、各地で一揆が勃発し乱世に向かって世の中が進んでいく時代である。
山門からまっすぐに伸びた参道は正面に新しい本堂を据えて絵になる景色である。玉蔵院の創建者は九州の空眼法師という人物と伝えられる。保木間という地名は、その昔一帯が低地で水難が多く、人々が小川や湿地に杭を打ちこんで開墾したことから付いた地名とされている。
本堂の手前に左右に分かれた六地蔵菩薩と中央に丸彫の地蔵、そして右端に駒型の庚申塔が並んでいる。中央の丸彫の地蔵菩薩は台石に「開運地蔵尊」とあるが詳細は不明。舟型の六地蔵は、寛延2年(1790)7月の造立で、ほぼそろっているが微妙に右の2基の像形が異なる気がする。
右端の庚申塔は日月、青面金剛像、邪鬼、三猿の図柄で、右側面には「奉待庚申供養成就」とあり、左側面には紀年が入っている。造立年は寛政9年(1797)11月で、基壇には「保木間村講中」の文字と、沢山の女性名が願主名として刻まれている。
場所 足立区保木間4丁目29-16
| 固定リンク | 0
コメント