法問寺の石仏(葛飾区青戸)
葛飾区青戸にある法問寺は浄土宗の寺院。中川の右岸に近く、創建は室町時代末期の永禄2年(1559)と古い。当初は現在地よりも100mほど南東にあったが、江戸時代の享保14年(1796)に中川の開削工事の為、現在の場所に移転した。この辺りは明治時代までは表青戸と呼ばれた土地である。
駐在所の横が寺の入口。入口脇に2mを超える大きな石塔が立っている。傍に説明板があった。「施餓鬼音楽法要碑」という葛飾区の指定有形民俗文化財。「施餓鬼(せがき)とは飢餓に苦しんでいる餓鬼に飲食を施すための法会のことで、餓鬼を救済すると同時に自分の長寿を祈願するというもの。法問寺では文化3年(1806)に施餓鬼音楽法要が行われた。その時、かつて出羽三山供養塔として建てられた奉納大乗妙典碑を削り直して造ったものとされている。裏の紀年は出羽三山供養塔の時の寛政8年(1796)3月と記されている。移転と供養塔建立が同年なのも何か経緯がありそうだ。
境内に入ると、本堂手前に舟型の地蔵菩薩と駒型の庚申塔がある。庚申塔は日月、青面金剛像、邪鬼、三猿の図柄で、享保6年(1721)11月の造立。「奉庚申建立 同行▢▢▢ 講中 拾八人」と刻まれている。左の舟型光背型の地蔵菩薩像は、宝永6年(1709)10月の造立。「念仏講中 三十五人」と大きく書かれている。庚申塔は元々青戸7丁目30-10の路傍にあったもの。寺から200m余り北の位置にあたる。
場所 葛飾区青戸6丁目16-20
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