辰沼稲荷神社の庚申塔(足立区辰沼)
足立区辰沼は小さなエリア。東に旧中川、西に綾瀬川、北にその二つを結ぶ花畑運河があり、その地域の中央にある町名。江戸時代から明治にかけては広がる田んぼの中の一画に花畑村辰沼新田(江戸時代は辰沼新田村)の民家が集まっていた。その中心には浄土宗の龍願寺(古い地図には立願寺とある)があり、北の端には辰沼稲荷があった。
辰沼稲荷は江戸時代の辰沼新田村の鎮守である。創建年代は不詳。鳥居の先に見事な彫りの手水鉢があったが明治時代のものらしい。花畑村という地図もあるが、榎戸村という地図もあり、時代と共に小さな村があっちに付いたりこっちに付いたりした歴史なのだろうか。
参道にあるのがこの駒型の庚申塔。日月、青面金剛像、邪鬼、二鶏、三猿が彫りこまれており、造立年は元禄12年(1699)8月とある。尊像右には「奉庚申待同行九十一人二世安楽所」とある。この小さな村域にそれほどの人が住んでいたのだろうか。
場所 足立区辰沼2丁目15-7
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