法然寺の庚申塔(江戸川区船堀)
東京メトロ東西線船堀駅の南西にある法然寺は浄土宗の寺院。すぐ南には新川という江戸時代からの運河が旧江戸川と中川(荒川)を結んで東西に舟運を可能にしている。江戸時代のこの辺りは船堀村。新川の南側は西宇喜田、東小松川という地域になり、運河によって分断していたのだろう。
法然寺の創建は元和2年(1616)、後に幕末に船堀小学校の前身として平船学校がこの地に開設している。山門をくぐると正面に本堂が嵩上げして建っている。これは低地の水害対策だろうか。本堂の手前左側に無縁仏が集まり、その脇に3基の石仏が立っている。一番左の丸彫の地蔵菩薩像は年代を経ていそうだが情報は全く不詳である。右の2基は形は異なるがどちらも庚申塔である。
中央の舟型光背型の庚申塔は極めて優れた彫りである。日月、青面金剛像、三猿の図柄だが、尊像は左手に邪鬼を下げている。最初はショケラ化と思ったがよく見るとやはり邪鬼である。造立年は寛文6年(1666)10月。隙間に文字が刻まれ、「奉彫庚申石像」「一座結衆」「法然寺」などの文字が見られる。右の笠付角柱型の庚申塔は正面に「青面金剛」とあり、下部に三猿がある。左面は万治2年(1659)の紀年、右面には天明3年(1783)の紀年が刻まれているのでいささか混乱。資料を確認すると天明3年は改修年のようだ。
場所 江戸川区船堀2丁目10-10
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