西光院の石仏(足立区中川)
足立区中川にある西光院は真言宗の寺院。創建年代は不詳だが、徳川家康が江戸入所の折、関東の大治水事業を担った伊奈忠次が利根川の付け替えや新田開発、新しい村落の設置を行った。その伊奈氏の命で新田開発を行った埼玉県与野市辺りにいた土豪武士浅田長右衛門という人物がこの地に長右衛門新田を開発し土着、彼が開基となって開いたのが西光寺と伝えられる。
昭和戦前期まではこの地は長右衛門新田と呼ばれた地名で、人口が急増したのは戦後である。寺の前の道は中川の右岸を南北に走る古くからの道で、戦前まではのどかな農村地帯だった。
境内にある舟型光背型の六地蔵は形もそろっており、江戸時代から祀られてきた様子がうかがえる。造立年は享保5年(1720)で、台石を見ると、金町、千住、五反野、長右衛門新田、青戸などの各地からの寄進によって建てられたもののようだ。
すぐそばにある駒型の庚申塔は日月、青面金剛像が確認できるが青面金剛像の足元で終わっている。造立年は享保17年(1732)とあり、右に「奉請青面金剛」、右側面に「長右衛門新田 講〇」、左側面に「西光寺宝〇」とある。
場所 足立区中川3丁目21-20
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