路傍の板碑型庚申塔(足立区中川)
足立区中川の常磐線よりも少し南、マンション群の北側の一画に古い庚申塔がある。この辺りは江戸時代の中川右岸を並走する古道の道筋にあたる。目の前は亀有アリオという巨大ショッピングセンター。だが誰もこの庚申塔には気づかないかのように歩いている。
傍には説明板も立っているが、いささか専門的な解説なので一般の人々には分かりにくい。ただ近代的なマンション群と大きなショッピングセンターの脇にある足立区で6番目に古い庚申塔とのアンバランスはいい。造立年は承応2年(1653)10月で、足立区には古い庚申塔が多いので6番目だが、例えば世田谷区最古の庚申塔はこれよりも新しい明暦4年(1658)である。
板碑型の中央には「奉造立庚申供養待意趣者為二世安楽」とあり、右に「乃至法界平等利益」と書かれている。下部には願主名があり、その下の枠外には蓮の華葉が陽刻されている。シンプルだがとても美しい庚申塔である。
場所 足立区中川1丁目9-2
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