正法庵の石仏(足立区中川)
足立区中川にある正法庵は曹洞宗の寺院で尼寺である。創建は元禄年間(1688~1704)で細々と庵を編んで尼僧が代々繋いでいたらしい。明治になってからは学校を開設したりして地域社会に貢献した。周辺はかつての大谷田村の南部に位置している。
境内に入るとすぐに右手に背の高い石仏が目に入る。台竿部分には「大乗妙典二千部供養塔」と書かれている。造立年は慶応3年(1867)4月である。時代的には明治維新の直前、世の中が大きく変動しつつある時代である。
上部に彫られているのは観音のようだが私には何観音なのか区別がつかない。この石仏を建立したのも側面の記載を見ると当時の尼僧のようである。
境内の右奥にヤツデやアオキに囲まれてひっそりと庚申塔が立っている。舟型光背型の庚申塔で、青面金剛像、邪鬼、三猿の図柄。日月は確認できなかった。造立年は延宝8年(1680)7月と古いものである。正法庵の創建よりも古いので、近くに在ったものをここに移設したのだろうか。
場所 足立区中川3丁目14-18
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