やく様と不動明王(葛飾区水元)
遍照院にお詣りした後、裏手の路地を歩いてみた。数軒の古くからありそうな戸建のお宅がゆったりと並んでいる。住居表示は葛飾区水元5丁目となっている。
角からすぐのお宅の庭のような場所に、古い墓石と思われる石仏がいくつも並んでいる。昔は墓というものは家のすぐそばにあったものである。都会では信じられないが、ご先祖様と現世を生きる人々は同じ場所で暮らしているのである。ちょうどこの家の方がいらっしゃったので、少しお話を伺った。この溶けてしまったような舟型のお地蔵様(もしかしたら聖観音)はお宅では「やく様」と呼び近所の人々もそう呼んでいるらしい。紀年などは分からないそうだ。傍にある2枚の板碑も室町時代辺りのものだろうが、文字が摩滅していて読めない。普通の民家にこんなものがあるのは23区内ではいささか驚きである。
隣りのお宅の敷地の角には今度は新しめの不動明王が祀られている。カイヅカイブキが両脇を固め、櫛型角柱型の不動明王像が屋根付きの下にある。文字はない。この辺りは成田山へ参詣する人々が通った場所でもあるので、その為にお不動様を祀ったのかもしれない。
場所 葛飾区水元5丁目6-17および6-19
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