伊予田の観音道標(江戸川区北小岩)
京成本線の江戸川駅の東は江戸川橋梁、川を越えると千葉県になり国府台の駅。東京の東端ともいえる江戸川駅の改札前の通りがかつての岩槻街道、元佐倉道である。この辺りは小岩村で、国府台に渡るための渡し船は小岩市川の渡しと呼ばれ、近くには番所(関所)があった。
佐倉道は房総の諸大名が参勤交代をする街道であるとともに、江戸の町民たちはここを通って成田山への参詣をしていた。多くは江戸小網町から舟で行徳まで行く者が多かったが、陸路もまた盛んだったらしい。佐倉道が小岩市川の渡しで千葉に向かうのとは分岐して、北に向かっては岩槻街道が伸びていた。分岐してすぐにこの道標があったと思われる。
正面には「是より浅草観世音道 二里六丁」右には「右 船橋 市川道」、左には「左 新宿道 岩槻慈恩寺迄七里」(それぞれ誤字などは現代風に修正)と書かれている。この道標の造立年は安永4年(1775)とあるが、どうも近くから移設されたらしい。こういう道標は古の人々の息吹が感じられて興味がわく。
場所 江戸川区北小岩4丁目37-2
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