正真寺の石仏(江戸川区北小岩)
正真寺は江戸川区北小岩の江戸川右岸堤防の脇にある真言宗の寺院で、慶長6年(1601)に国府台合戦の戦場となったこの土地に堂宇を建てたのが始まりとされる。国府台合戦は戦国時代の1538年~1564年にかけて小田原北条氏、里見氏、その他房州の武士が戦ったもので、後期の江戸川周辺が戦場であった。
山門をくぐると左手に南葛八十八ヶ所霊場の第27番札所の大師像がある。その近くに別の堂宇があり、そこには舟型光背型の地蔵菩薩像と思しき石仏が祀られていた。錫杖を持っていることから地蔵と判断したのだが、脇の塔婆には「南無遍照金剛」と書かれており、もしかしたら大師像なのかもしれない。
振り返って山門脇を見ると駒型の庚申塔が立っている。入口の正真寺の説明板にも書かれていた「小岩田の庚申塔ばんどう道石造道標」である。駒型で日月、青面金剛像、邪鬼、三猿の図柄で、造立年は享保8年(1723)6月と書かれている。かつて小岩村の大字の中で江戸川沿いが小岩田(現在の北小岩4丁目)、西に中小岩が隣接、南にいくと伊予田だった。
尊像左側には「これより左ばんどうみち」とあるのが道標と言われる理由だろう。側面には「葛西領小岩田村 庚申講中 観音堂別当 了圓」と書かれている。観音霊場の道ということで岩槻道か浅草道を意味していると説明板に書かれているが、漢字で書くと坂東道で余計に方角が分からなくなる。
場所 江戸川区北小岩7丁目27-5
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