善養寺参道の石仏(江戸川区東小岩)
江戸川区東小岩の善養寺は規模の大きな寺院。仁王門の南に延びる参道もあり、枝ぶりの独特な松に囲まれて気持ちのいい参道になっている。その参道の入口付近の両脇に石仏が並んでいる。
参道の向こうには朱の仁王門と本堂が遠望できる。参道の左右の道路側にはそれぞれ「小岩不動尊」と大きく書かれた石柱が立っており、その脇に庚申塔などが並ぶ。この両脇の石造道標は「小岩不動尊逆井道向石造道標」「小岩不動尊市川向石造道標」と呼ばれ、かつては善養寺の小岩不動尊への道標として、一方は逆井の渡し方面へ、もう一方は市川への道標で、元佐倉道あたりにあったと考えられる。
左側は、右から出羽三山供養塔と2基の庚申塔がある。出羽三山供養塔は前面に「羽黒山 湯殿山 月山供養塔」とあり、右面には「天下泰平 國土安穏」その下に「一結講中 二世安楽」と書かれている。造立年は文化6年(1809)3月。真ん中は駒型の庚申塔で、日月、青面金剛像、邪鬼、二鶏が陽刻され、台石に三猿が描かれている。「奉造立庚申尊一体為二世安楽也」とあり、造立年は元禄4年(1691)11月。左は角柱型の「庚申堂」と大きく彫られたもので、手前に合掌猿がある。造立年は不明。石川博司氏によると左の2基は小岩駅南の一画に在ったものらしいが、もう1基、天保10年(1839)の駒型庚申塔もあったとあり、左の石碑は庚申堂の前にあったのではないだろうか。
参道の右側には2基の庚申塔がある。左は駒型に「庚申塔」と大きく書かれたもの。台石には邪鬼が彫り込まれている。造立年は文政13年(1830)11月とある。右は「青面金剛」と彫り込まれた庚申塔で、こちらは台石に三猿が描かれている。造立年は文政5年(1822)7月とある。石川博司氏の資料では善養寺に8基の庚申塔があると記録されているが、さて何基残っているのだろう。
場所 江戸川区東小岩2丁目23番地先
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