円蔵院門前の石仏(江戸川区南小岩)
JR総武線小岩駅近くにある円蔵院は真言宗の寺院で、天文年間(1732~1555)の開山とされる。この辺りはかつては小岩村の沖と呼ばれていた集落である。隣りには沖天祖神社があり、円蔵院はこの別当寺であった。
円蔵寺の南には元佐倉道が通っており、成田山や佐倉方面への往来が多かったようだ。北側には総武線が走り、小岩駅は明治32年(1899)の開業で当時は総武鉄道。明治40年(1907)に国有鉄道になっている。円蔵寺はこの総武線の線路から程近い場所に在り、門前には大きな堂宇がある。
堂宇内には4基の石仏が祀られている。左端は駒型の庚申塔で、上部に日月の装飾があり、正面には「青面金剛」と大きく文字が彫られている。台石には三猿が陽刻されており、右側面には「沖講中」の銘がある。造立年は寛政9年(1797)9月である。右の上部が欠損した駒型の庚申塔は、日月、青面金剛像、邪鬼、二鶏、三猿の図柄。青面金剛の左手にはショケラが下がる。左側に宝暦9年(1759)7月の造立年がある。
右の2基はともに地蔵菩薩像で、左の丸彫の地蔵は文字が見られず造立年等は不詳。右の舟型地蔵もかなり風化と摩滅が進んでいて文字が一部読めない状態。造立年は元禄12年(1699)とある。右には「奉新造六道▢▢▢▢」とあり、左には「二世安楽也」と刻まれている。
場所 江戸川区南小岩6丁目16-28
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