筑土八幡神社の庚申塔(新宿区筑土八幡町)
飯田橋から北西へ大久保通りの坂を上っていくと、400mほどで筑土八幡町の五差路に着く。左向こうに日本歯科大学の神楽坂上フィールドというネットで囲まれたフットサル場の右にフェリーボートのような建物があり、そのさらに右隣りに神社への階段がある。フットサル場もビルもここ数年(2018年以降)に出来たもので、以前にはなかった。しかし東京ドーム裏に続く大通りも実は数年前に開通したもので、すごい勢いで変遷していく街並みの中に筑土八幡神社だけが残されていく感じがする。
この写真はまだ道路が開通する以前に訪問した時のものだがこの画角は昔とほぼ変わりない。筑土八幡神社は今から1200年前、嵯峨天皇の頃に創建されたとされる。筑紫の宇佐神宮の宮土を礎(いしづえ)にして建てたので筑土八幡宮と呼ばれる。面白い地形だが、縄文時代はここが岬の突端だったようだ。江戸時代までは飯田橋駅まで入江から舟運があり、今でも「揚場町」という荷揚げ場の地名が残っている。
階段を上ってけいだいにいたると銀杏の大木の脇に大きな舟型光背型の庚申塔が立っている。極めて珍しいタイプの庚申塔で、二猿が向き合うようにしており、猿は桃ノ木の実を取っている。上部には日月が見られるが、このタイプは殆ど例がない。造立年は寛文4年(1664)5月。雄猿が雌猿に桃を食わせるという姿が愛らしい。
場所 新宿区筑土八幡町2-1
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