地蔵堀の石地蔵(荒川区荒川)
明治通り沿いの荒川警察署の隣りに近代的な地蔵堂がある。「地蔵堀の石地蔵(地蔵堀の交通安全地蔵)」と呼ばれる地蔵で、造立年は元文5年(1740)10月とある。丸彫の地蔵座像で、警察署の隣りにあることから交通安全と結びついたのだろうか。
古い燈籠があり、その手前右にある角柱の標石は昭和3年(1928)11月に三河島の庭師入山が奉納したもの。突き当りには背丈よりも遥かに背の高い丸彫の地蔵座像が見える。浄正寺の住職(第13世寛誉)が村の安穏と五穀豊穣を願って建立したと伝えられる。この前の明治通り沿いには昔は地蔵堀という用水路が流れていた。
この場所は三河島村の外れで村人の旅立ちや出迎えの場所になっていたという。昔は少し違う場所だったようだが、大正14年(1925)に今の場所に落ち着いた。基壇には「地蔵講中」の文字があり、六角部分には西国、秩父、坂東の名もあることから巡拝塔としての役割もあったようだ。右隣りにある小さな角柱型地蔵は昭和36年(1961)3月建立の交通安全地蔵である。年代的には私の幼少期だが、当時は交通事故で無くなる人が極めて多かった。
場所 荒川区荒川3丁目1-1
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