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2023年4月 2日 (日)

本立寺の地蔵(品川区東五反田)

国道1号線に面した本立寺(ほんりゅうじ)は日蓮宗の寺院。創建はこの地ではなく上目黒村で、慶長2年(1597)のことである。江戸時代に入って、五反田のこの地(おそらく当時は品川台町という町名)にあった恵性寺が廃寺となった跡地に移転してきたという。

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山門をくぐると右手に地蔵堂がたっている。なかなか大きな地蔵堂で、中を拝見すると3基の地蔵菩薩像が祀られていた。そばに説明書きがあり、この3基の地蔵菩薩像は土中より現れ、病を治したという。昔、寺の前に花屋がありその使用人に宮内長二郎というものが居た。大正2年(1913)の夏に彼は高熱を出し、医者が見ても分らず。そんな時寺の住職の知人が見舞いにやってきて題目を唱えた。

その夜地蔵がその知人の夢に出てきて「寺の境内に3体の地蔵が埋もれている、それを掘り起こして拝めば病は治る」といった。すると指定の場所から地蔵が3体出てきて宮内の病もすっかり治ったという。信じる信じないは自由だが、地蔵菩薩にはこの手の言い伝えが多い。

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実際には地蔵菩薩は中央だけで、左は普賢菩薩っぽい容姿で元禄11年(1698)3月の紀年、中央の地蔵菩薩像は元禄6年(1693)8月、そして右の聖観音菩薩は元禄7年(1694)8月の造立年が刻まれている。ただ、字体がどうも江戸時代らしくない。石も鑿の後が見られないので、時造立年代は正直分からない。それでも霊験あらたかであれば問題ないと思う。

場所  品川区東五反田3丁目6-17

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