観音堂の石仏(豊島区長崎)
豊島区立長崎公園の北側の道を東に進む。この道も江戸時代からある古い道筋で、古道らしい緩やかな曲がり方をしている。公園から数十m進むと左側にブロック塀があり、小さな墓地がある。
近藤さんというお宅のようだが、門柱の左側には「観音堂」という表札もある。このブロック塀の向こう側は数十基の墓石のある墓所になっている。失礼ながらお邪魔させていただいた。
辻の側に妙に立派で精巧な陽刻の石仏がある。観音様っぽい座像で、右手は来迎印の右手らしく、左手は蓮花の茎を持つので、聖観音だろうか。よくわからない。種類としては巡拝供養塔である。月山、湯殿山、羽黒山、西國、四国、秩父、坂東、百八十八ヶ所巡拝供養塔と書かれている。造立年は分からないが、2人の命日があり、文久元年(1861)と安政4年(1857)なので、江戸時代末期のものだろう。
ブロック塀の傍にあった丸彫の地蔵菩薩像は古いもので、延宝2年(1674)の紀年が入っている。「光明真言」と中央に書かれ、武刕豊嶋郡長崎村の銘がある。これらの石仏以外に庚申塔が1基あったはずだが、見当たらなかった。
場所 豊島区長崎3丁目28-1
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