増茂商店裏の庚申堂(足立区中央本町)
足立区中央本町は言わずもがな近年の地名だが、この足立区役所のすぐ北のエリアは元々「小右衛門新田」という村であった。南には嶋根村、西には桑原新田、東が保木間村である。環七通りと国道4号線が交差する梅島陸橋から南へ下り最初の交差点を東に折れると、もう何年も閉まったままの増茂商店があり、その角に小さな庚申堂が立っている。
年期は入っているもののしっかりした堂宇に祀られているのは駒型の庚申塔。造立年等は記されていなかった。資料によると右には「庚申講中」とあるらしいが見えない。青面金剛像、邪鬼、三猿の図柄である。
小右衛門新田は足立区に数多あった新田のひとつで、岩槻城主の家臣であった渡辺小右衛門という人物が開拓した土地と伝えられる。江戸時代以前の坂東の多くの土地は戦国時代の武士たちが帰農し開拓してきたものが多い。当然開拓すればある程度自分のものになるから、戦国の世が終り平穏な時代が来ると武士がそうなるのは自然の成り行きである。北千住もかつては佐野新蔵胤信の開いた掃部新田(かもんしんでん)であったし、佐野新田も足立区にあった。
場所 足立区中央本町5丁目1-9
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