根村氷川神社の庚申塔(板橋区双葉町)
中山道と環状七号線の交差点板橋本町から少し西に行くと裏手に氷川神社がある。かつての中山道沿いは下板橋宿で、そこから村道を入っていった辺りが根村という字の集落であった。下板橋宿の一画という感じだが、そこにあるのが根村氷川神社である。
長い参道があり、歴史を感じさせる。創建は応永年間(1394~1427)で大宮の氷川神社から勧請され、下板橋宿上宿の鎮守として崇敬されてきた。神々しい参道を歩いていくと、二の鳥居の山門の先、本殿の少し手前に複数の石仏が祀られている。
本殿に向かって左側にあったのがこの駒型の庚申塔。日月、青面金剛像、二鶏、三猿が陽刻され、造立年は宝永7年(1710)8月とある。尊像脇には「庚申供養為現常二世安楽之也」「施主下板橋」と書かれている。左側面には「是より右祢りま道」とあるが右側面は読めない。
向かいの樹木の間には大きめの駒型の庚申塔が立っている。日月の下に「庚申塔」と彫り込まれ、造立年は安永5年(1776)12月である。左側面には「中山道板橋宿上講中」とあるので、下板橋宿上宿の講中だろうか。
やや山門よりにあったのがこの2基の庚申塔。左は角柱型で、台石に三猿が彫られている。正面には「庚申供養塔」の文字と、延享元年(1744)11月の造立年があり、「根村欽誌」とある。狭い左側面には「講中拾三人 二世安楽所」と書かれていた。右側の小さい方は舟型光背型の庚申塔で、青面金剛、邪鬼、二鶏が描かれているが、邪鬼はかなりわかりにくくなっている。造立年は元文3年(1738)11月と刻まれていた。
場所 板橋区双葉町43-1
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