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2023年6月 7日 (水)

辻の庚申塔(板橋区前野町)

前野町の路地を歩いていると沢山の制服姿の中学生が集まっていた。彼等のいた場所は通りが五差路になっているところで、鋭角な角度の角に建っていた建物が取り壊されて見通しが良くなった石塔を囲むようにして他愛無い会話を楽しんでいた。

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江戸時代、ここは前野村の中心あたり。下板橋宿で川越街道から分かれた富士街道と川越街道の間を走る村道で、中台村に通じる村の主要道だった。清水稲荷を経て中前野(小字)に至ると道が分岐し、志村へ向かう道と中台村への道のY字路だったが、その道筋がここに今も痕跡として残っていてその頂点に角柱型の庚申塔がある。

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住宅取り壊し時に庚申塔が残されたのは喜ばしいことである。辻の中央に面したのが正面で、「奉待大青面金剛 講中 諸願成就所」とある。右側面には「大日道 清水講中 女十四人 世話人 山上いこ」と書かれ、上の写真の左面には「祢里ま道」とあり、寛政12年(1791)11月の造立年が刻まれている。「大日道」というのは長徳寺の大日堂を指しており、長徳寺の坂で少し触れたことがある。昔も今もこの辻で人々が立ち話をするのは変わっていないんだろうなと感慨深かった。

場所  板橋区前野町1丁目23-3

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