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2023年7月27日 (木)

常性寺の石仏(調布市国領町)

京王線布田駅の北、旧甲州街道と三鷹通りの交差する布田駅前交差点の北東角にある真言宗の常性寺。境内には調布不動尊があり参詣者が多い。常性寺の創建は不詳だが、鎌倉時代に多摩川沿いに創建したと伝えられる。慶長年間(1596~1615)に現在地に移転してきた。境内の調布不動尊は成田山新勝寺の不動尊を勧請したもの。

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山門手前左には新しい念仏車がある。やはりこの手のものは古い方が良い。境内はとてもきれいで、正面奥に本堂があり、左の三鷹通り側に調布不動尊、右側には一眼地蔵堂がある。入れ替わり地蔵堂に入ってお参りする人が続いていて感心した。

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地蔵堂脇の植込みの中に舟型光背型の庚申塔が立っている。日月、青面金剛像、三猿の図柄で、右側に「奉供養庚申」とあり、左には元禄16年(1703)の造立年が刻まれている。資料によると子の植込みには駒型の庚申塔(元禄10年(1697)11月)があるはずなのだが、そちらは見当たらず。庚申塔が入れ替わった?といささか混乱。

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地蔵堂の前にあったのが舟型光背型の地蔵菩薩像。寛文3年(1663)2月と造立年は古い。「本願主常性寺奉加象九拾六人 国領村」と刻まれている。

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少し山門側に戻ると大仏様のように鎮座した丸彫の地蔵菩薩があった。こちらも寛文3年(1663)2月と古いもので、背中に「念仏称衆同行四十人」「奉造立地蔵二世安楽攸 国領村 施主 谷戸市右エ門」と刻まれている。

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堂宇に収まった特別扱いの馬頭観音菩薩がある。角柱型で、造立年は文政7年(1824)8月。正面には馬頭観世音が陽刻されており、裏には「国領村 発願主 法全」とある。基壇には多数の願主名が刻まれている。

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山門寄りの植込みにはもう一基の角柱型の馬頭観世音菩薩があった。こちらは比較的新しいもので、明治30年(1897)4月の建之と書かれている。明治から大正にかけては馬頭観音も多数造られているが残っているものは多くない。

場所  調布市国領町1丁目2-8

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コメント

TATSUさん

わざわざありがとうございます。地蔵菩薩などもあちこちに点在していて、見逃してしまったでしょうね。駅が近いのでまた立ち寄ってみます。コメント感謝です。

ぼのぼのぶろぐ管理人

投稿: ぼのぼのぶろぐ管理人 | 2023年7月29日 (土) 20時23分

常性寺には、2014/9/16に訪問していました。
ブログを見て本日再訪しました。
元禄10年塔は正面の植え込みに存在していました。
ただ松の木の陰で見過ごしそうでした。

元禄16年塔は2014年時点で存在していたかどうかは記憶にありません。
2014年以降に移設されたものかもしれません。

常性寺には二基庚申塔があることになります。

投稿: TATSU | 2023年7月28日 (金) 15時26分

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