昌翁寺門前の庚申塔(調布市仙川町)
京王線仙川駅から北に向かうと甲州街道(国道20号線)にあたる。この辺り数百mの国道20号線は江戸時代の甲州街道と同じ道筋を通っている。甲州街道の北側にあるのが昌翁寺。天台宗の寺院で、江戸時代の初期に仙川領主の飯高主水貞政が開基となり、創建した。飯高貞政はもともとは今川家の家臣で、後に徳川家康の家臣となり、仙川の地を与えられた。
立派な山門のある昌翁寺だが、明治12年(1879)に全焼し、再建されたのは大正13年(1924)で再建迄には45年も掛っている。山門の奥に本堂があり、右手の墓所にも石仏があるが今回は遠慮した。山門の手前、甲州街道ギリギリのところに3基の石仏が祀られている。
左は駒型の庚申塔で、青面金剛像、三猿の図柄。造立年は元禄10年(1696)11月とあり、右上に「奉供養庚申待‥」の文字、左側の紀年に加えて下仙川村の銘がある。中央の駒型の小さな石仏は「奉納大乗妙典六十六部供養塔」と書かれた廻国供養塔で、法令8年(1758)8月のもの。右の舟型の庚申塔も青面金剛像、三猿の図柄で、こちらは元禄3年(1690)拾月とある。調布市の資料によると、2基の庚申塔は、仙川八幡神社の東、向山に存在した寺院にあったものらしい。
場所 調布市仙川町3丁目7-1
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