デニーズ裏の庚申塔(調布市国領町)
狛江から国領駅を通って甲州街道へ抜ける狛江通りが、東西に走る品川通りと交わる国領町八丁目の交差点角にデニーズがある。その駅側の路地入口に堂宇があり石仏が祀られている。
この細い脇道は昔、布田村に入る古道であった。それでこの角に布田村の講中が建立したものとされている。戦災で壊れたのだろうか、かなり欠損したり折れたりしたものが目立つ。左端はごく最近の地蔵菩薩でこれについては調べていない。
右端の庚申塔は中折れしている。本来は駒型で、日月、青面金剛、とセメントで補修された下に三猿が一部覗いている。資料によるとセメントの部分には邪鬼があるようだ。造立年は明和9年(1772)11月で、「奉庚申供養」「武州多摩郡府中領布田村」の銘がある。左の上部と脇が欠損した庚申塔ももとは駒型で、日月、青面金剛像、三猿の図柄。造立年は正徳5年(1715)11月で、「▢▢世安楽同行拾二人」「武州多摩郡布田村」とある。
左側の庚申塔は最もダメージが少ないが、文字は読みづらい。駒型で、日月、青面金剛像、邪鬼、三猿が見られる。造立年は右に「奉納庚申」に続いて、宝暦6年(1756)12月とある。左には「武州多摩郡布田村講中八人」とあり、3基とも布田村の講中によるものである。
場所 調布市国領町4丁目52-3
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