西光寺の石仏(調布市上石原)
旧甲州街道沿いにある西光寺は天台宗の寺院。天台宗に改宗したのは寛文年間(1661~1672)と伝えられるが、創建は室町時代あたりらしく詳細は不明。立派な山門をくぐるとその先には大きな仁王門が立ち、その奥に観音堂や本堂がある。仁王門は宝永年間(1704~1710)の建立とされる。
山門脇には新選組の近藤勇のブロンズ像があるが、上石原一帯に近藤勇ののぼり旗が沢山ある。この街が近藤の生誕地らしい。山門をくぐると、左側に複数の石仏が並んで祀られている。
一番手前の堂宇には、左から角柱型の馬頭観音がある。右に文政9年(1826)9月の造立年があり、左には施主増岡佐五兵衛とある。ちゅおうは丸彫の聖観音菩薩立像。造立年は貞享3年(1686)11月で、武州多摩郡上石原村拾九人の銘があり、「奉造立為観世音念仏供養二世安楽也同行」と書かれている。右の櫛型角柱の石塔は廻国供養塔で、宝暦7年(1757)11月のもの。武州多摩郡上石原村 願主 原孫市の銘がある。
その右奥には六地蔵と中心尊となる地蔵菩薩像が一基。六地蔵は宝暦4年(1754)11月の造立で、武州多摩郡府中領願主上石原村 念仏講中などの銘がある。中央の少し大きな丸彫の地蔵菩薩像は巡拝塔で、「西国坂東秩父百ヶ所、四国八十八所諸仏菩薩」とあり「奉供養為二世安楽也」とある。造立年は元文3年(1738)2月と台石に刻まれている。
一番奥の堂宇には舟型光背型の地蔵菩薩像があり、こちらは貞享2年(1685)5月の造立。「奉造立為地蔵一躰念仏講供養同行廿九人」「武州多摩郡上石原村」の銘がある。後ろにあるのは板碑だが、こちらは詳細不明。右は櫛型角柱型の庚申塔である。日月、青面金剛像、二鶏、邪鬼、三猿の図柄で、享保17年(1732)11月の造立。「庚申供養塔 奉造立所願成就攸」「武州多摩郡上石原村下宿講中」とある。
場所 調布市上石原1丁目28-3
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