常演寺の石仏(調布市下石原)
天台宗の常演寺もまた旧甲州街道に面した寺院である。創建年代は不詳。明治時代以前は西から、飛田給、上石原、下石原、と宿場が並んでいた。その間にポツポツと寺院がある。多くは街道の南側にある。
入口の写真の右端にある燈籠は仁王堂常夜燈で、嘉永3年(1850)5月に建立されたもの。かつては少し入ったところに山門もあったと聞く。燈籠の脇には堂宇がある。
堂宇の中には丸彫の地蔵菩薩像が一基祀られている。基壇を見ると明和元年(1764)11月の建立らしい。「武刕多摩郡府中領下石原村、女中念仏三拾人」の銘がある。
本堂へ向かう途中にあったのが、この櫛型角柱型の巡拝供養塔。「奉納 秩父西國坂東百ヶ所供養塔」とあり、安永10年(1781)4月の造立。「多摩郡下石原村 施主 越山房右衛門」と刻まれている。
本堂手前の大きな岩の上に石仏が並んでいる。右端は舟型の聖観音像で、元禄12年(1699)9月の造立。「奉造建子安観世音為二世悉地成就也」とあり、導師花火院増信の銘がある。一番大きなものが舟型光背型の地蔵菩薩像で、貞享2年(1685)9月のもの。「念仏供養同行拾三人 多摩郡石原村」の銘がある。左から2番目は舟型の聖観音像で、これも貞享2年(1685)2月の造立。左端は欠損と摩滅で文字が読み取れないが如意輪観音像のようである。
場所 調布市下石原1丁目52-4
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