源正寺の石仏(調布市下石原)
上石原の西光寺から少し東に向かって都心方向に旧甲州街道を進む。現代では国道20号線に斜めに繋がる方が都道229号線で、分岐してさらに東に進むのが都道119号線、これが旧来の甲州街道である。分岐してすぐに源正寺がある。
本堂は近年再建されたらしくとてもきれいである。扁額には「大雄殿」と書かれた立派な本堂で脇には花頭窓もしつらえてある。主だった石仏は殆どが甲州街道に面した堂宇に祀られている。
左側に並んでいるのが月輪を備えた丸彫の六地蔵菩薩。基壇に安政2年(1855)3月の紀年が刻まれている。かなりきれいになっているのでもしかしたら再建モノかもしれない。
右側には、左から角柱型の庚申塔。青面金剛像と邪鬼のみの図柄である。造立年は右面に文政12年(1829)正月とあり、シンプルなもの。中央の舟型光背型の如意輪観音像は元禄6年(1693)8月の造立で、「奉造立如意輪観世音菩薩善女人」「念仏講供養金剛山源正禅寺境内」「武州多摩郡府中領下石原」と書かれている。右の笠付角柱型の庚申塔は寛延2年(1749)6月のもの。日月、青面金剛像、邪鬼、三猿の図柄である。
覆屋の右にある大きな角柱型の石塔は廻国供養塔。前面に「奉納大乗妙典日本廻国供養塔」とあり、左面には「武州多摩郡下石原宿 願主 太田善三郎 繁信 敬白」と書かれている。天明の浅間山の大噴火の後、国の平和を祈って立てられたものらしい。
場所 調布市下石原1丁目36-1
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