阿弥陀堂跡の石仏(調布市深大寺南町)
調布市の佐須街道の北側、中央自動車道との間にある森が深大寺自然広場で、西半分が自然広場、東半分がかに山キャンプ場になっている。かに山キャンプ場はデイキャンプ場で調布市在住か勤務・学校が市内の人のみが使用できる。エリア全体が崖線になっており森が広がっている。野川の河岸段丘で国分寺崖線の一部である。自然広場の中央を上る坂がひきずり坂という坂で、崖線上と崖線下を結ぶ古くからの道。高低差は15mほどある。
キャンプ場の真南から崖を上る道が阿弥陀堂の坂という階段坂。二つの坂の間の崖線の下に覆屋がある。そこには4基の石仏が祀られている。昔はこの辺りに稲荷神社もあったようで、資料によると昔は本名主富沢家ほかの墓所であったという。阿弥陀堂も立っていたので坂名に残されているに違いない。
左端は駒型の庚申塔、上部が欠損している。造立年は元禄8年(1695)で月の部分が欠損。日月、青面金剛像、三猿の図柄で、右に「奉納申庚供養」とある。庚申の文字が上下入れ替わっている誤字は初めて見た。江戸時代の誤字は甚だしいものがあるがこれは珍しい。二番目は丸彫の地蔵菩薩で寛保元年(1741)7月造立。基壇に「観阿悠授徳 施主富村▢拾人」とあるが意味は不明。右から二番目の丸彫地蔵菩薩は安政3年(1856)7月のもので「願主富澤伊兵衛」とある。右端の新しい丸彫地蔵は昭和55年(1980)4月で「願主会田力蔵」とある。
場所 調布市深大寺南町2丁目10-4
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