丸石の庚申(府中市清水が丘)
東郷寺通りが9中通りに交差する多磨霊園駅北交差点から北へ15mほどのところにコンクリートの堂宇に守られた自然石の庚申塔が立っている。二つの通りと東西の道が絡まって小さな三角の区画を作っていて、4件の家がある。その一角である。この変な道の絡みは江戸時代から続いている本来の道の交差点で、甲州街道の南側の一画としては交通の要衝だったのだろう。
この辺りはかつては染屋の西側の小さな村で常久村(つねひさむら)という地域だった。それ以前は多摩川沿いだの是政あたりにあった集落が洪水で流失、段丘上のこの地に移ってきて常久村を形成したらしい。この辺りで多摩川の洪水で移り住んだ話は多い。現在中央自動車道が走っている辺りは度々多摩川の洪水に見舞われた地域である。
庚申塔は丸い石で、河原の石と思われる。正面には「庚申」、左には「おし立船ば道」、右には「府中道」とある。台石には常久村の文字があり、嘉永元年(1848)の建之と記されている。多数の男性名(苗字無)が並んでいる。移転してきた人々の名前だろうか。
場所 府中市清水が丘3丁目22-21
| 固定リンク | 0
コメント