鎌倉街道の庚申塔(府中市本町)
府中本町駅の西側、鎌倉街道であったとされる都道18号線の三小前の南西角に自然石の庚申塔がある。この場所は興味深い場所で、20m東に南北に通る下河原緑道はかつての鉄道軌道下河原貨物線が走っていた筋。多摩川の砂利を運搬していた東京砂利鉄道の廃線跡である。敷設の10年後(1920)には鉄道省が買収し国鉄となった。しかし武蔵野線が開通したことで1976年に廃線となった。
広い歩道の一画に植込みがあり、その橋に自然石の庚申塔がある。正面には「庚申塔」の文字。裏には文政5年(1822)11月吉日講中とある。下部には本町の願主名があり、善明寺の中興の五十嵐姓や大久保姓、夏目姓がある。
この庚申塔はもとは本町三叉路角にあったというから、現在で言うと府中街道の大國魂神社西の五差路あたりだろうか。今は本町商店会の道が繋がっている。100年余り前はこの辺りは東西に用水路が伸び、田んぼが広がる下河原と呼ばれた農地だった。
場所 府中市本町3丁目3-1 map
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