溝合神社の庚申塔(府中市小柳町)
府中市小柳町は京王線多磨霊園駅の南側、多摩川河畔までの地域。街の北部を東西に走るのが筏道。この筏道沿いに寺院や石仏が点々とある。ちょうどこの筏道は、多摩川の河岸段丘にあり、ハケの道とも呼ばれる。ハケとは崖のことである。新しい9中通りを橋で越えて、少し坂を下ると五差路に出る。この五差路から北に昇っていく坂道(写真左)が庚申坂である。
鳥居の右の道は筏道(ハケの道)。その間にこんもりとした区画があり、溝合神社と呼ばれているが、祀られているのは2基の庚申塔である。神社として祀られている祭神は猿田彦大神なので、庚申塔で間違いないのだろう。
左のかなり傷んだ石仏はおそらく舟型光背型の庚申塔だったと思われる。日月は摩滅で消えかかっているがかろうじて見える。青面金剛像は認められるが三猿は痕跡のみである。補修はコンクリートで行われており、細部は不明。造立年も不詳である。右の駒型庚申塔は大正6年(1917)3月に造立されたもので、日月、青面金剛像、三猿の図柄である。側面に「小田分中 同青年中」の文字がある。
境内には「庚申石橋供養塔」と書かれた石碑がある。山状角柱型で、文化10年(1813)12月の造立。右面には「念仏講中 庚申講中」の銘があり、左には「石橋講中」と「小田分村 願主 細野‥、馬場」の銘が刻まれている。小田分村というのは、ハケの道よりも南側の低地にあった農村で、昔の領主が小田姓であったことからついた名前らしい。
場所 府中市小柳町2丁目59番地先
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