新宿庚申塔(府中市府中町)
甲州街道沿いの村々は調布の西の飛田給を過ぎると、下染屋、車返、上染屋、常久を経て、府中に入る。府中の中では八幡宿、新宿、本町、番場宿があり、次の宿場は日野宿である。新宿というのは各地にあるが、府中の東側の入口にあたる。
本来の甲州街道は京王線の線路よりも200mほど南を通っていた。この辺りは明治以前は桑畑の中だった。現在セブンイレブンがあるこの分岐点は江戸時代からの分岐点で右の道を行くと小金井の前原につく。その先は埼玉県の志木まで続いたようで、志木道の名前が残っている。明治時代初期の地図には桑畑の中のこの分岐に石塔のマークがあるので、場所は昔から変わっていないはずである。
覆屋に祀られているのは山状角柱型の大きな文字庚申塔で、「庚申塔」の大きな文字と新宿講中の字が見える。造立年は嘉永5年(1852)2月である。基壇には「此方 ふじ大山道」側面には「此方 田なし」などの地名があり道標でもあったようだ。願主名のほかに、染屋石工与市の名前もある。
場所 府中市府中町2丁目2-5 map
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