妙光院の庚申塔(府中市本町)
府中街道に山門がある、安養寺の北側に隣接する妙光院は真言宗の寺院。境内墓地の北側は崖になっており、階段を上ると金毘羅堂。妙光院の境外仏堂らしい。この階段が金毘羅坂と呼ばれている名のある坂道。
金毘羅堂もかなり古そうな感じだが、このハケ(崖)の上下に境内が広がるのは珍しい。妙光院の創建は古く、平安時代初期の平城天皇の第三皇子である真如法親王によって貞観元年(859)に開山した。京都仁和寺の末寺である。
府中街道に面した山門は新しくきれいなもの。地形的に興味深いのは山門の南側に水路があるのだが、これは昔からある多摩川の支流。流程を見ているとどうも古い時代の用水路のようである。矢崎村は河岸段丘下の低地の一面田んぼが広がる中にあった村で、この辺りは用水路が張り巡らされていたのだろう。山門から本堂までまっすぐに参道が伸びているが、その途中右手に大きな無縁仏塔群がある。十一面観音がおそらく主尊だろう。その左後ろに、唐破風笠付角柱型の庚申塔がある。
大きな笠を載せた庚申塔だが、造立年は宝暦5年(1755)5月とある。前面には、日月、青面金剛像、邪鬼、三猿が描かれており、府中本町矢崎の銘がある。ちょうどこの辺りが江戸時代の矢崎村である。施主かいゑんとあるがこれは僧侶名だろうか。
場所 府中市本町1丁目16-13 map
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