西向庚申塔(府中市住吉町)
京王線中河原駅の北側にスーパーマーケットのライフがある。その北側の角に沿うように鳥居と堂宇があり、一見神社かと思うが実は庚申塔である。昔は、ライフの北側一帯が中河原の村落だった。真言宗の寺院法音寺の周りに村が広がっていた。
立派な鳥居と玉垣があるが、立派な黒御影石の説明書きがあり、「庚申とは方位でいうと西南西を示し、お社の向きもこれに倣うものだが、中河原の庚申様は真西を向いており非常に珍しいが、なぜ西向なのかは不明」とある。江戸時代の庚申塔は様々な理由で今ではまちまちな向きになっていることが多い。ライフが建つ以前はどういう向きだったのかが興味深い。
堂内には2基の庚申塔がある。左の角柱型庚申塔は前面に「庚申供養」とあり、台石には「三疋猿」と書かれている。造立年は文化元年(1804)2月とある。左側には「三組講中」とあるが意味は不詳。右は舟型光背型の庚申塔。造立年は正徳6年(1716)3月で、日月、青面金剛像、三猿の図柄。「同行11人」とある。これ以外にも慶応3年(1867)の燈籠の竿部が境内にあるらしいが見落とした。
場所 府中市住吉町1丁目84-1 map
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