武蔵境通りの聖観音(調布市深大寺北町)
調布と三鷹を結ぶ都道武蔵境通りは野川の御塔坂橋から南方向も北方向も緩やかな上り坂。川を渡る地点が一番低いのは当然だが、野川から北方向の坂が「御塔坂」である。ところがなぜか南の坂の上にある交差点が「御塔坂」となっていていささか紛らわしい。さて、北に向かい御塔坂を上ると、御塔坂は通称小坂という坂になり、やがて平坦な武蔵野台地上の道になる。
紛らわしい御塔坂交差点は中央自動車道をくぐる辺りにあるが、1.4㎞ほどの畑と駐車場に面した広い武蔵境通りの西側の歩道脇に覆屋がある。質素な小屋の中には笠付角柱型の石仏が祀られている。この石仏は聖観音菩薩のようであるが、石塔に刻まれた年号が万治3年(1660)3月と極めて古いものである。
近くにあったバス停は「深大寺北町」となっていたが、次のバス停は「山野」と古い地名になっている。バス停名は土地の歴史を残すことが多い。この石仏は畑の地主の加藤家の先祖が江戸時代初期に建てたもので、墓石ではあるが貴重なもの。昭和前期までは浅間神社の観音とともに毎年8月の縁日の主尊であったという。
場所 調布市深大寺北町7丁目27-7 map
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