長久寺の石仏(三鷹市大沢)
三鷹市大沢にある長久寺は真言宗の寺院で、慶長3年(1598)の開山。幼稚園を併設している。東八道路と天文台通りの交差する天文台北交差点から少しだけ南に下ったところにある。
広い境内は平日は幼稚園児の遊び場にもなるのだろうか。その境内をまっすぐに進み本堂を拝んだ後、すぐ左手にある石仏群を拝観する。
右から、六角幢の六地蔵塔、丸彫の地蔵菩薩が2基、笠付角柱の庚申塔と小さな庚申塔、説明板の左には鷹場標石が並ぶ。右端の地蔵六面幢は明治25年(1892)11月の造立。大小の丸彫の地蔵菩薩像は紀年が確認できない。
隣りの笠付角柱型の庚申塔は大きいもので、造立年は元文4年(1739)11月で、日月、青面金剛像、邪鬼、三猿が陽刻されている。「奉守護(講)庚申供養」の文字が見られる。すぐ左脇の角柱型の小さな庚申塔は、明和7年(1770)10月の造立。青面金剛像、邪鬼、三猿が描かれており、「導師長久寺現住賢泰」「大澤村講中」の文字がある。元は国立天文台の構内にあったものらしい。左の板碑型の石仏は不詳。
脇には何の変哲もない石柱があるが、これは三鷹市の指定史跡となっている鷹場の標柱で、「従是東西北尾張どの鷹場」と書かれている。鷹狩りは日本では古くから行われており、江戸時代になって三鷹周辺は徳川家の鷹場として守られてきた。牟礼野(井の頭公園周辺)や大沢の辺りがその地域で、この標柱は将軍家の鷹場と御三家尾張藩の鷹場の境にあった標柱。元の位置は不明らしい。
場所 三鷹市大沢2丁目2-16 map
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