玉川上水脇の庚申塔(三鷹市上連雀)
三鷹駅北口ロータリーから西に延びる玉川上水沿いの桜通りが都道121号線と交差する欅橋の交差点の南西角に立派な堂宇がある。玉川上水に架かる欅橋は現在も交差点脇にモニュメントとしての橋の欄干がある。この辺りは昔は堀合(ほりあわい)と呼ばれた土地。
面白い堂宇で、北向に半分が開口しこちらには庚申塔がある。東向きに開口している都道側には出羽三山供養塔がある。東側にまわり出羽三山供養塔を見てみると、シンプルな角柱型の石塔で、「奉納 月山 湯殿山 羽黒山観世音 西国四国秩父坂東」とあり、「清明和順 當村行者伊助」の銘。造立年は嘉永4年(1851)3月である。基壇には「武蔵国 多摩郡 蓮雀村」とある。
この石塔は小林家の先祖である伊助という行者がおり、出羽三山、坂東、秩父、西国、四国を廻った。出羽では狼に襲われ、松の木の登って唱を唱えて助かったので、帰って来てから欅橋の脇に観音の石碑を建立したという風に伝えられている。江戸時代にはまだ日本にはそこそこの数のオオカミが居たということであろう。
北側正面に回ると立派な笠付角柱型の庚申塔がある。日月、青面金剛像、邪鬼、二鶏、三猿の図柄で、造立年は享保14年(1729)7月。「奉納庚申供養」の文字と紀年がある。側面には「武列多摩郡上蓮雀村」の銘と、多数の願主名が刻まれている。
場所 三鷹市上連雀1丁目2-1 map
| 固定リンク | 0
コメント