上柳沢橋の庚申堂(西東京市柳沢)
石神井川の流程は小金井公園を源頭にし、田無~柳沢~東伏見~上石神井と東流、練馬区板橋区を流れ、王子駅で音無川を備えて間もなく隅田川へ注ぐ25㎞程。柳沢あたりはかなり上流になる。青梅街道の西武柳沢駅南の交差点下を石神井川は流れているが、その手前の小さな橋が上柳沢橋。この橋を渡って南下する保谷二小通りは実は古くからの道で深大寺街道と並走している。
上柳沢橋の北側に少し大きめの堂宇が立っている。堂宇の扉は頑丈な錠前で閉ざされているが、格子の上部から中に祀られている庚申塔を拝むことができる。中にあるのぼりには「猿田彦大神宮」の文字がある。この庚申塔はもともと青梅街道に面した場所に立っていたが、道路拡幅の為昭和45年(1970)に現在地に移された。
中には笠付角柱型の立派な庚申塔があるが、やむなく上部と下部を別々に撮影。日月、青面金剛像、邪鬼、二鶏、三猿が描かれており、青面金剛の左手にはショケラが下がる。この近辺でのショケラは珍しい方である。尊像脇には「為奉造立庚申供養二世安楽也」とあり、造立年は宝永5年(1708)11月。願主名は細田姓、岩崎姓、下田姓、都筑姓が複数ある。
堂宇後部の下の方に穴が開いており、そこから何やら石塔らしきものが見える。回り込んでみると駒型の庚申塔がその穴の前に立っていた。日月はなく、青面金剛のみ。ただしこの青面金剛もショケラを下げている。この庚申塔には「小傳」以外の文字がなく、造立年等も不明だが、旧保谷市の資料では最近の造立とされている。「小傳」の傳は現物は手偏、意味は堂内の庚申塔に対して小さい方というくらいの意か。ショケラ伝説は興味深く、小鬼説、女人説、人魚説など多彩である。
場所 西東京市柳沢2丁目19-15 map
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