六角地蔵尊(西東京市保谷町)
西武柳沢駅の北側を東西に延びるかつての富士街道(ふじ大山道)が線路に最も近づいたところに堂宇がある。堂宇の後ろには西武新宿線の線路が通っている。この踏切の道は細道で車は通れない。しかしこの道はかつての深大寺道という古道で、榎ノ木通りという通り名があり、武蔵野大学前で複数の街道を束ねる。
踏切手前の堂宇には背丈ほどもある六角地蔵幢が祀られている。それぞれの面に地蔵菩薩が陽刻された六角柱で、造立年は寛政7年(1795)9月とある。この辺りは今は西東京市保谷町だが、昭和の頃は保谷市本町、それ以前は上保谷村西浦という土地だった。かなり薄れているが、「武刕新座郡上保谷村」の銘と願主の野口家の名前がある。
説明板があり、「つやという女性と、光山童子の菩提を供養する為に、野口助右衛門と秋本十右衛門が江戸市ヶ谷田町の石工角田屋に注文して建立。富士街道と深大寺道が交差するところに立ち、道標を兼ねており、毎月西浦地蔵講が供養している」と書かれている。西浦というのは昔のこの辺りの字(少し北の地域)。資料に依ると、「西ハ大山道、北ハ▢▢道、東ハねりま道、南ハ志んたい寺道」という文字があるようだ。
場所 西東京市保谷町4丁目7-21 map
| 固定リンク | 0
コメント