有山の庚申堂(多摩市東寺方)
聖蹟桜ヶ丘オーパショッピングセンターの脇から小道を入る。現在は東西に都道20号線(川崎街道)が走り、その南をオーパ横から西へ向かう2車線の道があるが、どちらも新しい道である。昔はその一つ南の路地が東寺方へ向かう村道であった。
100m余り西に進むと、綺麗な玉石の土台に載せられた堂宇がある。江戸時代から明治時代に積まれたこういう玉垣はいつ見ても見事だと思うが、現代ではその技術を持つ人が稀になってしまったようだ。堂宇の中には2基の庚申塔が祀られている。この辺りは昔、田んぼの中の小さな集落で、東寺方村の中でも有山という数軒の家が集まった離れのような集落だったようだ。
右の庚申塔は櫛型角柱型と思われるが、中折れが酷い上に摩滅もかなり進んでいる。かすかな痕跡としては日月、青面金剛像、三猿の図柄のようである。多摩市の資料には解読困難とあるが、TATSUさんのサイトで読み解いておられた。「奉建立庚申供養塔」「寛政元年(1789)8月、有山講中」の文字があるようだ。左の駒型の小さな庚申塔は、明治9年(1871)12月の造立で、こちらにも「有山」の文字がある。
場所 多摩市東寺方1丁目8-5
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