関戸の笠付庚申(多摩市関戸)
多摩市関戸というと現在は多摩川右岸から京王線聖蹟桜ヶ丘駅を含めて、多摩市役所あたりまでと極めて広い地域の地名となっているが、聖蹟桜ヶ丘駅周辺は昔は一面の田んぼで民家もなかった。府中の中河原から関戸の渡しで多摩川を越えて、鶴川村の小野路(今は町田市小野路町)へ山越えする入口が関戸であった。
現在は関戸橋で多摩川を渡ると広い中央分離帯の鎌倉街道(都道18号)が乞田川沿いを走っているが、本来の鎌倉街道は西側を走る上のバス通り(府中町田線:同じく都道18号扱い)で、関所のあった熊野神社前を通っている。関戸の由来はこの関所だと言われている。熊野神社の450mほど北に昔ながらの玉石の石垣が続き、その上に笠付角柱型の庚申塔が立っている。
日月、三猿、二鶏の図柄の笠付角柱型の庚申塔。造立年は古く寛文13年(1673)2月の紀年がある。「奉建庚申之人族七人」「武刕多麻郡関戸」「申三匹鶏二羽」の文字が見られ、下部には苗字のない願主名が複数ある。以前はここに地蔵などもいくつかあったらしいが今は庚申塔1基のみである。
場所 多摩市関戸5丁目30-37
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