沓切坂の庚申塔(多摩市関戸)
多摩市役所の中を通る道がバス通りに下る坂は沓切坂(くっきりざか)と呼ばれている。古い地図を見るとやはりバス通りがかつての鎌倉街道(大山道)で、多摩市役所に上る沓切坂は明治以降はサブルートのようである。ただそれ以前はこちらが鎌倉街道のルートだったようで、あまりの急坂に馬の沓(くつ)あるいは轡(くつわ)が切れたことからついた坂名。
この坂を新田義貞軍が鎌倉攻めの折に上っている時に馬の沓が切れたという言い伝えもある。鎌倉幕府を滅ぼした新田義貞(元弘3年:1333年)の分倍河原の戦いの時だという説と、足利尊氏を追った新田義興(正平7年:1352年)の説があるようだが、切通しの雰囲気が歴史を感じさせる。写真の右手の切通の上に1基の庚申塔が祀られている。
林の中にポツンと立っている駒型の庚申塔だが存在感がある。造立年は書かれておらず不詳。日月、青面金剛像、三猿の図柄である。患部には「西念寺」の文字と複数の人名が願主名として刻まれている。
場所 多摩市関戸6丁目15番地先
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