永山橋の地蔵堂(多摩市乞田)
多摩センターから永山を流れる乞田川。唐木田付近を水源にして約6㎞で聖蹟桜ヶ丘付近で大栗川に合流しやがて多摩川に注ぐ小河川。京王・小田急永山駅の近くの永山橋は橋の上にバス停がある珍しい場所。この永山橋のたもとには地蔵堂がある。
地蔵堂は永山橋の方を向いている。方角的には東向きである。覆屋の中には、地蔵が2基と庚申塔が1基祀られている。手前にある黒御影石の大きな香台に「都市計画の為に此処に移転す、昭和50年10月吉日」と刻まれている。乞田川は以前は蛇行を繰返した流程だったが、都市開発で真っすぐな流路に付け替えられた。多摩センター周辺の開発が進んだ高度経済成長期の時代である。
左から舟型光背型の地蔵菩薩で、「地蔵菩薩 武刕多摩郡乞田領内 念佛講 施主女十五人」とあり、庚寅とあるので、造立年は宝永7年(1710)か明和7年(1770)の3月。中央は笠付角柱型の庚申塔で、享保7年(1722)10月の造立。日月、青面金剛像、邪鬼、三猿の図柄で、「武刕多摩郡乞田村」の銘がある。右は角柱型の地蔵菩薩で、文政7年(1824)12月のもの。こちらも「武刕多摩郡乞田村」の銘がある。乞田村は江戸時代の村で、明治になってから南多摩郡多摩村の一部となった。
場所 多摩市乞田1426
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