古戦場跡の地蔵堂(多摩市関戸)
多摩市関戸に古戦場跡がある。鎌倉幕府滅亡の主役である新田義貞軍と北条鎌倉幕府の戦いが分倍河原とここ関戸で行われた。関戸古戦場は北条氏に仕えた佐伯氏が館を構えた場所。旧鎌倉街道から小道を上ると時宗の延命寺があるが、その入り口にあたる小道脇に地蔵堂が立っている。
分倍河原の戦いでは幕府軍が勝利したが、ここ関戸の戦いでは新田軍が幕府軍に勝利を収め、6日後には鎌倉が陥落している。堂宇の中には丸彫りの地蔵菩薩像と角柱の供養塔が祀られている。地蔵菩薩は多摩市でも最も古い時代のもので、造立年は寛文3年(1663)7月。「関戸村 念仏講中」の銘がある。
右の角柱型供養塔は念仏盟約塔と呼ばれるもので、「永大融通念仏盟約塔」の文字が刻まれている。父母の恩に報いるために「毎月一集、朝暮十遍以上」祈祷したのだろう。それ以外に正月、3月、10月にもそれぞれ13日に行われたようだ。女念仏講中の銘もある。造立年は寛成元年(1789)である。造立には府中の安養寺が関わっていた。
場所 多摩市関戸5丁目23-33
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