大栗橋の道標(多摩市関戸)
府中市から多摩市へは関戸橋を都道で渡るが、100年以上前は関戸の渡しという渡し舟で渡っていた。この辺りで多摩川に流下合流していたのが大栗川で、今の府中街道(川崎街道)が大栗川を渡る向ノ岡大橋あたりで多摩川に注いでいた。都道18号線はこの辺りでは大通りの西にある二車線の都道も同じ18号線として扱われているがこちらは一応旧道で、関戸の渡しだったころからここで大栗川を渡る橋であった。
その旧道の大栗橋の北側に駐車場があり、その金網のわきに石塔が立っている。造立年は天明3年(1783)冬と刻まれている。正面には「南無観世音菩薩」と書かれており、脇には「右 ふちう道」「左 八わうじ道」とある道標である。
かなり摩滅しているが文字は読める。この道標はこの位置ではなく昔は北の渡し場道の角にあったという。その場所は特定できなかった。関戸の渡しを過ぎて大栗橋を渡るとここからは山道に入っていく、そんな場所であった。おそらく山のほうから来た旅人が、この道標のところで二股になっていて、左が八王子、右が府中というのを知るためのものだったのだろう。
場所 多摩市関戸4丁目12-12
| 固定リンク | 0
コメント