地蔵堂の庚申塔(多摩市和田)
高蔵院の東、和田中学通りと庚申塚通りの交差点に少し土盛りした土地があり、地蔵堂が建っている。この地蔵堂は真言宗の高蔵院の境外仏堂で、将軍地蔵が本尊と聞いたが、堂宇内をのぞいてみてもそれらしい地蔵は見当たらなかった。
狭いながらも居心地の良い境内で、少し高いだけに眺めがよい。この地蔵堂に向かって左の隅、愛宕方面の角にひっそりと1基の庚申塔が立っている。この辺り江戸時代から明治にかけては、この地蔵堂より東が百草村(京王線沿いの百草村の飛地)で西が上和田(あげわだ)村だったらしい。この辺りが丘陵部と大栗川河畔の田んぼとの境で人家が集まっていた。
庚申塔は駒型で、元禄13年(1700)11月の造立。日月、青面金剛像、邪鬼、三猿が描かれており、「武列多摩郡…」の銘がある。下部には願主名が刻まれている。何気に300年以上前の庚申塔だが、江戸時代中期の石仏の石質はすこぶる良い。
場所 多摩市和田544-2
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