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2024年12月14日 (土)

秋葉神社の石仏(多摩市中沢)

小田急多摩線唐木田駅と多摩センター駅の間、現在の住居表示は中沢だが、その大部分は府中カントリークラブというゴルフ場。中沢の東端を小田急多摩線が走っている。小田急の走る谷あい(唐木田谷戸)からは40mほど高いところにゴルフ場が広がっている。古い地図を見るともともとはゴルフ場の中に切れ込んだ谷筋の集落を中沢と呼んでいたらしい(中沢谷戸)。

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小田急多摩線の線路の傍にあるのが秋葉神社。秋葉神社と言えば防火の神様である。道路よりも数m高い境内だが、昔はさらに10mほど高かったという。天明2年(1782)の勧請で、三本松に住んでいた古狐を焼き殺してしまったことから、上落合に火事が次々起きたため、遠州の秋葉神社から火伏せの神として勧請した。上落合全体(山王下、中組、唐木田)で祀っていた。

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本殿は小さな神殿だが、境内には複数の石仏が祀られている。堂宇内の一番左にあったのが、丸彫の地蔵菩薩立像。宝永6年(1709)10月の造立とあるので秋葉神社の勧請よりも古い。この地にはそれ以前に地蔵院という地蔵堂があって、そこにこれらの石仏が祀られていたという。「奉供養大乗妙典一千部読誦之処父母菩提也」「施主 武州柚木領落合村 川井氏」の文字がある。川井家は多摩市の古い名家のひとつである。

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その右には六地蔵ならぬ七地蔵が並ぶ。おそらく一つは六地蔵に含まれない。六地蔵の造立年は天明2年(1782)11月で、秋葉神社の勧請と同じ年である。かなり風化が進んでいる。

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堂宇の右には角柱板型の庚申塔がある。文字塔で中央に「庚申塔」とあり、下部に三猿が陽刻されている。造立年は寛政11年(1799)10月とある。「施主 峰岸□右衛門」のほか、川井姓、進藤姓、井上姓、小泉姓の名が刻まれている。

場所 多摩市中沢2丁目18-1

東京:時代の痕跡を歩く(ぼのぼのぶろく)

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