駒井通りの地蔵(狛江市駒井町)
狛江市駒井町を東西に抜ける駒井大通りという道がある。見た感じ近年の開発による道路のように見えるが、実は古くからある駒井の幹線道路で、登戸の渡しから駒井を抜けて宇奈根、鎌田へつながる道であった。多摩川の河原のような場所を通るのでほぼ平坦で、微高地でわずかに曲がる程度でとても古道には見えないのである。
駒井大通りに狛江六小南という交差点があり、その南の角に覆屋がある。覆屋の中には丸彫の地蔵菩薩坐像が祀られていた。地蔵の本体のみ新しいように見えたが、狛江市の1978年の資料によると、その時にはすでに再建後だったらしい。卒塔婆には「駒井北向き地蔵尊供養」とあった。
江戸時代から変わっていないであろう基壇には、「奉造立地蔵大菩薩」とあり、右面には寛政5年(1793)10月の造立年が、右面には「武州多摩郡駒井村 願主 秋元磯右ェ門 高橋三右ェ門 念仏御詠歌講中」の文字が刻まれている。
覆屋手前の道路ギリギリに建てられていた石柱も時代が古そうである。左側面には「寛政5年(1973)10月」とあるので、地蔵菩薩と同じ時に建てられたもののようだ。右側面には「武州多摩郡・・願主 秋元磯右ェ門 高橋三右エ門」とあり、地蔵の基壇と同じである。地蔵堂の標柱として建てられたものに違いない。
場所 狛江市駒井町3丁目13-11
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