伊豆美の馬頭観音道標(狛江市中和泉)
狛江市を貫いていた筏道は、六郷土手で青梅奥多摩からの材木を紐解いて納品した筏乗りが山に帰るのに通った道である。狛江市内には複数の筏道ルートがあるが、その中でもメインだったのが狛江駅前の駄倉橋から伊豆美神社を通るルートで、分かれた道が合流するY字路には石仏が祀られている。
三叉路の頂点にあるのは大気汚染総合測定室という建物らしいが、昭和時代の文献にも同じ名前の建物をランドマークにしている。このブログをご覧になっておられる方からここに石仏があるという情報をいただいて見に来た。実はすぐそばの伊豆美神社には何度かお参りに来ているので、完全なる私の見落としであった。
石仏はかなり摩滅と崩壊が進んでいて判別が難しいが、狛江市の資料によると、三面六臂の馬頭観世音菩薩らしい。造立年は文政10年(1827)11月で、文字もいくつも刻まれていたらしいが今は読めない。
脇にあった丸石のモニュメントに、馬頭観音道標に書かれていた文字がアルミニウム板にあった。「右 地蔵尊、渡し場道」「左 江戸青山 六郷道」反対側には「西 府中道」とある。資料では地蔵尊は「当村地蔵尊」で、渡し場は「玉川(多摩川)渡し場」というのが石仏の文字。また「武州世田ヶ谷領 上和泉村 願主 石井奥右衛門」の銘があったようだ。
場所 狛江市中和泉3丁目4-10
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