等々力八丁目石橋供養塔(世田谷区等々力)
世田谷区の中でも閑静な住宅街が広がる等々力。その地名は世田谷区側のみならず、神奈川県川崎市側にもあり、かつては東京ヴェルディの本拠地であった等々力競技場がある。多摩川の右岸左岸にはこのように同じ地名があるケースが多い。それだけ多摩川が暴れ川で古来幾度となく流程を大きく変えたことを想像できる。
等々力八丁目の住宅地の辻に覆屋があり、上部に地蔵菩薩坐像を陰刻した角柱の石仏が祀られている。地蔵の下には「奉造立石橋供養為先祖□」と刻まれている通り石橋供養塔である。左面には安永9年(1780)8月の造立年が刻まれているが、正面脇には明和7年(1770)12月の紀年がある。おそらく明和7年に亡くなった橋を架けるのに尽力した人を、10年後に供養したものだろう。側面には「願主当村小池惣助」の銘がある。
ただこの辺りに石橋があったのかがいささか懸念に感じられた。古地図を調べてみると、この辺りはかつて等々力山谷という小字で、玉川郵便教の東側に小さな湧水池があり、そこから小沢が南流していたようだ。また少し東西に離れて眺めるとこの供養塔あたりが2~3m低くなって谷底になっているのがわかる。
場所 世田谷区等々力8丁目19-7
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