東小金井駅から梶野通りを北に進むと、東京電機大学中学・高等学校の先に二本松が見えてくる。二本松の脇に庚申堂があり、この堂宇は川の上に基礎を築いて建てられている。この小さな水路は成城学園前から野川に注ぐ仙川の上流で、武蔵小金井駅の北にある山王稲穂神社辺りが水源とされる。

梶野通り沿いの仙川に架かる橋はこの西側にある梶野市杵島(いちきしま)神社の参道の始まりになっている。この神社はこの辺りの新田開発が始まった享保17年(1732)の創建で、この辺りは当時は梶野新田と呼ばれた地域。境内社のひとつに猿田彦神社があり、それがこの川の上に立つ庚申堂である。

堂宇は立派なもので、中には笠付角柱型の庚申塔が1基。格子には絵馬がいくつも掲げられている。扁額の位置には可愛く「庚申塔」と描かれた飾りがあり、地元の人々に親しまれている様子が伝わってくる。

庚申塔は、日月、青面金剛像、邪鬼、三猿の図柄で、造立年は宝暦2年(1752)9月と刻まれている。新田開発盛んな時代だろう。右側面には「武刕多摩郡梶野新田講中」と書かれている。昔の民家は梶野通りよりも一本東側を南北に走る玉川上水の分水(梶野分水)沿いに並んでいた。この梶野分水は築樋(つきどい)で用水路として少し高い位置に築かれており、仙川を渡る樋の橋もあったようだ。用水路の下流は深大寺(調布市)まで伸び深大寺用水となって流れていた。
場所 小金井市梶野町4丁目12番地先
東京:時代の痕跡を歩く(ぼのぼのぶろく)
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